ビールの友010
猫だまし
1996.09.11
猫だましというと、人の目のすぐ前で両手をパチンと叩き合わせる、あれを思い出してしまう。相撲の技ですね。ちょっと前に舞の海がやってみせてくれました。次の対戦で舞の海に同じ手で仕返しをしようとした曙(だったかな?)が、身長差から舞の海の額のあたりで手を叩いちゃって、全然猫だましにならなかったというおまけまで付いていた。なかなか楽しい対戦でした。
ま、今回の話はその猫だましとは全然カンケーなくて、んじゃこの枕はなんなんだってコトになるんですけど、そこはそれ、お互い大人じゃないですか。まま、ビールでもグッとやってもらって。
てぇことで猫だましの話です。
僕がよく猫をからかって遊んでいた方法にはいくつかあって、一つが「知らん顔」。猫が毛づくろいをしている時、尻尾をチョイチョイと引っ張ってやる。猫が「ん?」という感じで後ろを向くと、こちらはパッと手を引っ込めて、しかもそっぽを向いて知らん顔をする。猫は毛づくろいの途中で、半分舌を出したまま自分の尻尾と僕の顔を見比べる。おもむろに猫にほうを向いて、「ん? どした? なんかあったか?」と声をかけてやる。
おかしいなと思いつつ(たぶん思ってる)、猫は再び毛づくろいに戻る。んで、また同じコトを繰り返す。うちにいた猫は、だいたい3回目くらいで不審そうな顔をしながら僕から遠ざかり、寝るか毛づくろいを再開する。
これがなかなか楽しい。
すでにお気づきと思いますが、これの醍醐味は、猫が振り向いたときですね。この時の顔はホントーに間抜け。飼っている人は一度試してみてください。
ちなみにこの技は人間の赤ん坊にも効くのであった。甥っ子姪っ子が小さいときにさんざんこの手でからかった。やっと一人で歩けるようになったころが狙い目で、敵はおむつをしてますから、これを引っ張って前に進めないようにしてやります。猫と同じで、「ん?」と振り向きます。
こっちはもうテレビを見ています。「どうした?」というと、また歩こうとします。しぶとい奴は這ってでも向こうに行こうとします。根性のない奴は泣き出します。
この技は家族の前でやると非常に受けます。しかし、猫で開発した技だとは言わない方がいいでしょう。
もう一つ、猫相手ですごく面白かったのは熱い餌をやるというイタズラ。
ある日、鳥肉とニンジンと玉ネギとピーマンを炒めていると、猫が足にまとわりついてきた。餌はちゃんと出してやったが、そっちにはまだ手を付けていない。
「餌はそっちにあるだろーが」と言ってもいっこうに喰おうとせず、しつこく足にまとわりついてくる。
で、試しにと思って、炒めたばかりの、まだ回りの油がじゅうじゅういっている鳥肉を一つほうってやった。飛びつきましたねー! よほどいい匂いだったんだろうなー。まだ床に落ちきってないうちに飛びついたもん。見事に空中でキャァァァァッチ!
次の瞬間、「んぎゃ!」というすごい声を上げてくわえた肉を取り落とした。いやー! 実に楽しかった! 口の中をやけどしたらしく、前足で空けたままの口の回りをさかんになでまわしつつ、口を開け閉めしている。すごくつらそうで楽しい。
やや落ちついてくると、再度かみつこうとするが、やはり熱い。なんせ、敵は口で吹いて冷ますなんて技は使えないので、前足でちょんとつついて転がすばかり。うひゃうひゃ。
猫も人間と同じようにハフハフってやるんだねぇ。みように感心しちゃいましたよ。いいかげん転がして冷めた頃に勇気を振り絞ってかみついた。んで、まだ熱くてハフハフって。するんだねぇぇ、猫も。
さすがにちょっと可哀想だったので、これは一回しかやってないけど、それにしても楽しかった!