ワルガキとマスコミの共通点

　近頃，ワルな中高生ドモが，必死になって悪事に奔走する気配を感じる．それは，何処かで，かの酒鬼薔薇を超えようとするあがきのように思えて来る．だが，安易なマスコミ報道に翻弄されず真理を見極めるべきだ．　　　　　　　　　　　　　　　　あの事件を，安易に同じ仲間の中学生が起こしたなどと信じてはならない．一体，あの犯行が中学生の手によるものとする確証が何処にあるのか？　Ａ少年裁を頭から犯人と決めつける者ドモの誰一人とし確信はない．　　　　　　　　　　　　　　　　昨日，家裁送りの事件としては，異例の記者会見が行われたとする報道があった．学校の教師ドモが，最初の通り魔事件が起きた際に，Ａ少年がやったのではないかと疑ったと言う．彼の犯行メモとまるで違う理由は？　　　　　　　　　　　　　　　　事実は小説よりも奇なりとも言われる．だから，報道された通りのことが起きたと考えることも十分可能なのだが，それでも尚，不自然の極みが『お礼を言いたいのでこちらを向いて下さい』と言う臭いセリフである．　　　　　　　　　　　　　　　　見知らぬ人間を道案内して，全く相手を見ようとしない人間がいるのか？　一言の言葉で相手は振り向くのが普通である．『あのー』だけで，本能的な警戒心からも，即座に反応する筈で，長いセリフは不自然である．　　　　　　　　　　　　　　　　また，このＡ少年は，相手が女の子になると，標準語でそんなに丁寧に話すのか？また，通り魔事件の犯人は，Ａ少年と同じ中学校の制服を着用していたとされるが，実験段階での犯行を隠すには極めて不自然である．　　　　　　　　　　　　　　　　今回の記者会見は，テレビカメラが直接，発言者の映像と声を流した形跡はなく，マスコミが間接的に伝えたものである．都合の悪い部分は，カットされて伝えられた疑いも残る．教師の交わした噂に何の意味がある．　　　　　　　　　　　　　　　　父親は，子供に全く無関心だったと反省し，一方の母親は，自分の子供の犯行とは到底思えないと言ったとされる．有田芳生などは，こうした犯行に全く気がつかない家庭に大きな問題があると犯行を既成事実化した．　　　　　　　　　　　　　　　　更に母親の行状について，Ａ少年がワルさをして，女の子の靴と鞄を隠した上で，燃やしてしまった事件があったと言い，弁償する際に，女の子は口が達者だ，釣りは要らないとした．これは有名な話であると語った．　　　　　　　　　　　　　　　　少年の家庭を殊更悪く印象付けるのだが，コヤツに，中学生が絶対に間違いのない犯人だとする根拠を持っているのか？　全ての報道がそうだが，Ａ少年が犯人である絶対的な確証を挙げて叩く手順が忘れられている．　　　　　　　　　　　　　　　　日頃，子供の人権云々するマスコミだが，Ａ少年の犯行を，自らが実際に，現場で再現を試みるなどの手法を以て実証しようとする動きは皆無である．昔のテレビは，そんな犯行の再現を好んで実践する傾向があった．　　　　　　　　　　　　　　　　今のマスコミは，警察発表とは別に本当に少年の犯行に間違いないのか？　これをマスコミ自体が一切，検証しようとしない．Ａ少年は，ワープロの存在とは無縁だとされているが，ワープロ使用の痕跡は消えたのか？　　　　　　　　　　　　　　　　Ａ少年逮捕前の報道で，発見された晒し首の口に挟まれていた犯行声明に使われた用紙が指紋の付きにくい感熱用紙だったとされた．Ａ少年は，この用紙を一体何処で手に入れたのか．知人が持っていた報道もあった．　　　　　　　　　　　　　　　　では，Ａ少年の知人のワープロは，彼の犯行声明との関わりはあったのか？　何か動かし難い証拠になるような文書が残されていたような事実はあるのか？　知人宅に同じ感熱用紙があって，Ａ少年が持ち出したとか？　　　　　　　　　　　　　　　　自宅に斬り取った首を持ち帰った後で，じっくりと，警察を嘲笑する文面を考える冷静さが，中学生にあるとは思えない．特別なガキだと言えば，それまでではある．然し，何もかも特別で押し通して矛盾はないのか？　　　　　　　　　　　　　　　　更には，神戸新聞社には，一字の訂正も修正もない，Ａ４一枚にも及ぶ犯行声明を書き上げた精神力は大したものである．マスコミ受けを狙って書かれたものならば，下書きや推敲が必要だ．何か痕跡でもあったのか？　　　　　　　　　　　　　　　　彼は，それも全て処分したのか？　逐一，バモイドオキ神に報告の形で犯行声明を書いていたならば，肝心の首を切断する場面などが詳細に書かれていていい．あれが彼のものだとしても小説的作文だったかも知れぬ．　　　　　　　　　　　　　　　『…学校を休むことにしました．その計画は，こうです…』マスコミは，ここまでは報道するが，その後をまるで伝えようとしない．それとも…警察が発表しないのか？それは犯行を裏付ける証拠に繋がる重要な続きだ．　　　　　　　　　　　　　　　　実際，首を自宅に持ち帰った際の供述は，奇想天外なものがある．事実は小説より奇なりとして見逃すとしても，首がしつこく話し掛けて来るので，うるさいから口を切ったという報道があった．これは一体何なのか？　　　　　　　　　　　　　　　　言ってみれば，こんな惨憺たる状況の中で，文章を纏められる中学生というのは，実に凄い．こんな人間が本当に居るのか？　居たとしても，俺様は絶対に信じない．自然発生的に，こんな化け物が発生する訳がない．　　　　　　　　　　　　　　　　マスコミは，本当にたった数分間の警察側の記者発表で，全てを納得出来たのか？本当にやったんだろうかとする，当初の疑問を，自ら徹底追及して納得の行く答えを出せたのか？　それなら詳細に経過を示すべきだ．　　　　　　　　　　　　　　　　この事件で，かなりこまめに報道に接するようにしているが，少年の犯行に疑いの余地がないとする確信を導き出す報道に，全く接することが出来ないままだ．むしろ逆に大きな疑問を素通りする謎が噴出されて来る．　　　　　　　　　　　　　　　　近頃のガキ共が，必死に悪事に奔走する過程と，マスコミが必死にＡ少年と両親を悪しざまに罵る形態に，深い共通点があるように思える．何とかＡ少年を超えよう，何とかＡ少年を犯人に仕立てようとする点である．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊＊　悪魔　＊＊　　　　　　・目次に戻る