ビデオデッキ・ヘッドの清掃の仕方

クリーニング・テープ
について
ビデオデッキ・ヘッドの清掃は市販のクリーニングテープを使用するのが普通だと思いますので、ちょっと紹介をしておきます。

[乾式] やすり状のテープでヘッドに着いた汚れを削ぎ落とす。ヘッドを傷めるので時間や回数に制限がある。

[湿式] 布製のテープに洗浄液をしみこませて拭き取る方式なのでヘッドを削ることは無いが、液の浸け過ぎで事故多発。また浸けなければ効果も無いので、あまり評判良くない。最近販売店でも見かけなくなった。

[乾式・絵付] 絵でクリーニングの状態を知らせてくれる。トラッキング不良による画面のノイズと区別がつくため、買うとしたらこの方式ですが、使いすぎでヘッドが傷むのは同じ


ヘッドの汚れ
とは
 ビデオテープは磁気テープです。アセテートなどのテープに磁性体が塗布してあるのですが、磁性体というのは鉄粉のような物。長期保存しておいたテープ表面が酸化して剥がれ落ちた磁性体がテープガイドを汚し、それをテープが運んでヘッドを汚したり、直接ヘッドを汚したりします。
また、テープをイジェクトする際に巻き込みが悪く、折れ目がつくとその部分はヘッドを汚し易くなります。
そしてレンタルビデオなどでは、前に使用した方のデッキの汚れをテープが運んで、自分のデッキを汚してしまうことも考えられます。
そして、デッキのなかのホコリや塵ももちろん汚れの原因です。
ヘッドはミクロンの世界。カタログなどでも「3倍速専用ヘッド、19ミクロン」などと書かれています。
ヘッドの清掃 ビデオデッキの清掃は簡単です

ただし、テレビデオなどの一体型は出来ません。ご注意!
[準備するもの] 綿棒、市販のカセットテープ用などのクリーニング液
(写真準備中) 1.電源をOFFにして、デッキの外蓋(天板)を開ける。

 内部のホコリを吹き飛ばしましょう。感電しないように注意!
(写真準備中)
(写真準備中) [出来たら] 電源を入れて、なるべく録画可能なビデオテープを挿入、再生状態にして、動作がスムーズかどうか確認しましょう。
 テープが引き出されて回転ヘッドに巻きつく様子をよく見てください。
録画可能なテープでしたら、録画状態にもしてみましょう。記録済みのデータを消す消去ヘッドが出てくるのも確認しましょう。
テープをイジェクトする際にも動作がスムーズかどうか確認しましょう。
※テープをハーフに完全に巻き込んでからデッキの外にイジェクトするのですが、うまくいかないとはみ出した部分に折れ目がついてしまいます。
このテープの折れ目もヘッドを通過するときに粉をおとして汚れの原因となります。
※だからテープを途中でイジェクトするのは止めましょう
(写真準備中) 2.綿棒にクリーニング液を少量着けてテープの通り道のガイドの部分を拭きましょう。
  消去ヘッドのテープにあたる部分を掃除して、近くにあるノーマル音声用ヘッドも拭きましょう。(※HiFi録音では使用していませんがテープには接触しています。)
(写真準備中) 3.回転ヘッドをぐるりときれいにしましょう。綿棒はケチらずに
 回転ヘッドのドラムには2ヘッドと書いてあるデッキなら2箇所、4ヘッドと書いてあるデッキならば4箇所、最近の五倍速付きでは6ヘッドなどもは6箇所、ヘッドの部分があります。この部分は特に丁寧に清掃します。まず綿棒にほんの少量クリーニング液を着けて拭きます。すぐに乾いた新しい綿棒でよく拭きます。(なにせミクロンの世界だからケチらずに)
(写真準備中) 4.外蓋を着けてオシマイ。
コツ! ※液の浸け過ぎに注意! クリーニング液は揮発性です。デッキ可動部分に良くありません。
※液を着けて拭いたら、すぐ乾いた新しい綿棒で乾拭きをすること。


< オマケ >

ヘッドを汚さないために ヘッドを汚さないために
ホコリが大敵ですがデッキの内部だけでなく、テープに付いたホコリもヘッドを汚します。
そこで、ビデオテープはきちんとケースに入れて置きましょう。ビデオテープを買えば必ずケースに入っています。生テープでもプラスチックや紙製のケースに入っています。レンタルされたビデオテープも必ずケースに入っていることと思います。見終わったテープは完全に巻き戻しをして、デッキから取り出したらすぐにケースに入れておきましょう。むき出しのまま放置するのはペケです。
ビデオテープを
途中で取り出しては
ダメなわけ
「完全に巻き戻して」
デッキ内部のお掃除をしたら、お判りでしょうが、ビデオテープはテープカセットから長く引き出されてヘッドに接触するようになっています。テープを取り出そうとイジェクトボタンを押すと、スルスルとカセットに巻き込まれ、パタンとカセットの前ブタが閉じて出てきます。
このとき巻き取り量が少なくて少しでもはみ出していると、テープに折れ目が付いてしまいます。
この折れ目の個所はヘッドに接触出来ないため、下から上に、白あるは黒い線がノイズとなって流れます。当然、磁性体は剥がれやすくなり、ヘッドを汚します。
ご自分の大事なテープはもちろんですが、共同で使用するレンタル・ビデオテープなどは、映画を途中で見るのを止めても、完全に巻き戻してからデッキから取り出すのがセンスです。
自分の
大事なテープは
巻き戻さないで保管
たとえば、TV番組を録画して、それが自分にとって大変貴重な記録だったとします。
その場合は、その大事な録画の部分の少し先まで再生状態にして(余裕を持たせる意味です)、そして巻き戻さずにイジェクトしてみて下さい。大概のデッキでは、テープの巻き具合を見ると、一定速度で巻き取られたため、早送りや巻き戻しの時よりもキレイに巻けていると思います。
その場合は、そのまま保管して、見るときに巻き戻して見る。
見終わったら、またそのまま保管。
という方法が有ります。
昔、オーディオ録音でオープン・リールの時代(今でもそうなのか?)には、これを「マスター巻き」といって貴重なテープはこのような方法で保管しておりました。(プロ用は2トラック2チャンネルなど、片道録音再生です)
※もちろん再生中はピクチャーサーチや静止画再生などの特殊再生はご法度です。一定速度で均質な圧力で巻き上げることが肝心です。
ピクチャーサーチ
はいけません
デッキ内部のお掃除をしたら、お判りでしょうが、斜めに回転しているヘッドに、テープは押し付けられています。
そのため、テープはただ引っ張られているだけでなく、上下の力も加わっているんです。
ピクチャーサーチ(早回し再生、巻き戻し再生)を行いますと、上か下(たいがいは下)に押し付けられ、テープの下側を傷めてしまいます。テープの下側がワカメ状になってしまったらさぁ大変、デッキはトラッキングの情報が読めなくて、画面が上下にどんどん流れてしまいます。

ご自分の大事なテープはもちろんですが、共同で使用するレンタル・ビデオテープなどは、お互い様です。テープを傷める特殊再生(含、静止画再生)はやらぬのがセンスです。


「件名」は具体的に

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