透視図 1963年9月発行のパーツリストより(クリックすると大きくなります) |
マツダB360はその名のとおり360ccエンジンの軽自動車です。しかし透視図のように、ちゃんと梯子型フレームを持ち、エンジンは4サイクル水冷4気筒ミッションは4速フロアシフト、FRレイアウトという本格的な自動車でした。
当時、軽自動車は空冷2サイクルが全盛で皆お尻から白煙を噴出しながら走っていました。他に4サイクルエンジン搭載の軽自動車は同じエンジンのマツダ・キャロル(軽なのに4ドアセダン!)そしてホンダN360の空冷2気筒のみだったと思います。すごいでしょ。
ただし最高出力が20馬力なので他車が30馬力前後(N360のツインキャブは9000回転で36馬力!スゴイ)でしたから運転も(ドライバーが)すごいものがありました。速度計に各ギアのリミットが印されてあり1速は15Km/h、2速25Km/h、3速40Km/h、でした。1速は荷物積載時や坂道発進用ですが2人以上乗った時には常用します。1速はシンクロメッシュではないので、停車せずにシフトダウンするときはヒール&トゥ&ダブル・クラッチが必須のテクニックです。3速でめいっぱい引っ張り、4速に入れて待っていると70Km/hに達しました。
当時、首都高速羽田線の最高速は70Km/hでした。(60Km/h位から中でこいだり「がんばれー」と掛け声をだしていました)。当時でも都内に渋滞は有りましたが、20Km/リットル以上走らないと自動車屋さんで「故障だ!」といわれました。 |