志ん生の 大津絵・江戸の四季

これは お江戸の 四季の景

花は 上野か 向島

暮れてうれしき いく里の

うめは 名に負う 臥竜梅(※1)

関屋の里の いくかさね

堀切の 花しょうぶ 

菊は そめいの お手ざいく

夕日に もみじは 海晏寺(かいあんじ)(※2)

しのばずの 池のほとりで雪見酒

まつちのやまの よるの雨(※3)

橋場 今戸の 朝けむり



(※1)がりゅうばい(がりょう‐ばい)(グヮリョウ‥)【臥竜梅】 
樹形が臥竜を思わせるような梅の木。《季・春》

(※2)かいあんじ【海晏寺】
東京都品川区にある曹洞宗の寺。山号は補陀落山。北条時頼の創建、大覚禅師の開山と伝えられる。江戸時代は紅葉の名所。

(※3)まつちやま【真土山・待乳山】
東京郡台東区浅草七丁目にある小丘。隅田川右岸にあり、古くは入津の目標となった。歓喜天をまつる待乳山聖天宮がある。



メールください

もくじへ

トップ頁へ