名人中の名人と謳われた噺家・八代目桂文楽。その晩年に内弟子として入門した著者が、至芸の裏側、暮らしぶり、趣味・道楽、そして最後の高座などを、かぎりない愛着をこめてエッセイとして語られる名人の素顔。 ☆噺家の高座はふつう扇子と手拭いで噺を運んでいくのだが、わが師・桂文楽は手拭いではなく、白いハンカチを使っていた。しかし、それについては、当時だれ一人指摘したものははなく、思えば不思議なことであった。 (第二章・ハンカチの思い出より) 平凡社刊 定価1854円 |
☆私が「あばらかべっそん」を一冊たずさえて弟子入りしたのは、桂文楽六十九歳、私・栗原理十九歳のはるであった。数日後、桂小勇と芸名も付き師匠亡きあと、柳家小さん門下に移り、真打となり三代目柳家小満んを襲名して今日に至る。 今更にあばらかっべそんの 懐かしさ 小満ん (あとがきより) 北越出版刊 定価2,000円 |
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