お問い合わせのメールをいただきますが、取り急ぎ書く返信メールは
言い足らず、書き足らず、になりがちなので書き足し付け足しますので
ここで読んでいただけばと思います。(店長)
Sent: Sunday, November 10, 2002 10:01 PM Subject: 教えてください! モーツアルトの父レオポルトはとても厳しい人だったと聞きます。このレオポルトについてできるだけ詳しく教えて下さい!(Y) |
西新井のアップルです。当店のホームページをご覧いただき有難う御座います。 店番をしながら作っているホームページなのでなかなかはかどらないページですが、よろしくお願いいたします。 このところビデオ・リスト作りに取り掛かっていて、モーツアルトの年譜も滞ったままでした。 さて、 アマデウスの父レーオポルトについてのお問い合わせですが、アマデウス同様、諸説氾濫しております。わたくしも、顔は古狸ですが、さすがにその時代に生きていたわけではないので書物などで得た知識しかありません。 モーツアルトに関する書物は流石に多く、公営の小さな図書館でも多数の本が読めると思います。そして、どの本にも父レーオポルトについての記述があると思います。(確かに厳しかったようです) 人間に関する本は、同時代に書かれた本でも褒めてる本は虚飾が多く、悪く書かれた本は中傷が多いといわれるとおりで、情報の多い現代でも人に関する本はあてにならないのは周知のとおりだと思います。(自分のことでさえなかなか本当のことは書けないのに、他人のことを書くのはさらに難しいことですよね。司馬遼太郎氏は小説「坂の上の雲」の執筆のとき野木希典の遺族に対して随分気を使ったそうですが、連載中は関係団体から頻繁に苦情を言われたそうです。歴史の事実を書くのでもたいへんです) レーオポルトに興味がおありなら、たくさんの本をお読みになってY様ご自身がそのイメージを作られるのが良いと思います。 また、わたくしは確かにヴォルフガング・アマデウスの音楽のファンなのでモーツアルトの音楽が成立した状況や環境、かかわった人々についても興味のあるところですが、いま自分の耳で聞くことの出来るモーツアルトは、むしろ演奏家の解釈に左右されるところが大きいと考えられます。(楽器の編成、使用楽器も含めて) ですから、私の場合、曲(音楽)がまず有るわけで、その曲がどのように成立したのかとかは2次的な興味の対象となります。(もちろんモーツァルトというヒトは大前提ですが、それも音楽の名前のINDEXとも言えます。) また、Y様がたとえ教育関係者で父レーオポルトの教育がアマデウスの音楽を作ったとお考えで興味をもたれたのなら、私はそれは違うと思っています。むしろアマデウスが持って生まれた資質・天才の発散をいかに邪魔しなかったかがレーオポルトの価値だと思うほどです。 ヴォルフガング・アマデウスが35歳で死んだのは早死にだといわれています。 しかし、5歳から作曲を創めて30年間600曲以上の作曲をしますし、当時の状況では寿命も今とは違います。 レーオポルトは7人子を作りますが生まれてすぐ死ぬ子が多く、長じたのはヴォルフガング・アマデウスと姉のナンネルの二人だけでした。ヴォルフガング・アマデウス自身もコンスタンツェとの間に6人の子を設けましたがやはり2人が生き残っただけでした。 ヴォルフガング・アマデウスが寿命の限りに作り出したK.626レクイエムまでの音楽創作の流れ自体が私には感動的です。 そこには父レーオポルトでさえ入る余地はなかったと思えるのです。 さて、アップルはビデオ店ですから、ビデオのお話をしますと 映画「アマデウス」(#12259)では少年時代は描かれていませんでしたが、ヴォルフガング・アマデウスのイメージは“いかにも天才”という面をよく描き出していたと思います。父を恐れる様子も良く描かれていました。(私の大好きな映画で個人用にLD買いました) 映画「アマデウス」以前のヴォルフガング・アマデウスを描いた映画としまして、1982年にフランスで製作されたテレビ用映画「モーツアルト」監督:マルセル・ブリュヴァルがあります。 幼少のヴォルフガング・アマデウスが35歳の死に至るまでを描いた長編で、父とのかかわりも当然多く描かれています。青年の頃、一緒に演奏して叱られたりするシーンもありました。ただし、お父さんに理由ありのシーンでした。 このビデオは、以前は全6巻で発売されていましたが、現在は廃盤のようです。(残念ながらアップルにもありません) 古いレンタル屋でも覗いてみるとあるかもしれません。 他に、「モーツァルト・青春への旅路」(1976年西独、監督:クラウス・キルシュナー、出演:パブロス・ベキアリス)がありますが、わたしは見ていませんのでコメント出来ません。 では、こんなところで失礼いたします。トリイソギ。 アップル 店長 |
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