近作世間話


話題作は雑誌などで紹介がありますが、、実際にみてみたら?

アップル会員のお言葉の要約 
        


ヒマラヤ杉に降る雪

1999年:監督スコット・ヒックス
イーサン・ホーク、工藤夕貴、マックス・フォン・シドー、
(物語)1954年殺人事件の裁判で、被告は日系人の漁師ミヤモト。第2次世界大戦直後で反日感情の高い中で事件は起こり、裁判も行われる。
*ドラマらしい落ち着いた調子のテンポで話が進んで行き、カメラも演技もやり過ぎでない感じで良い。子供時代の楽しさは、みんな美しく哀しい。そんなことが良く描かれている。話が淡々と進んでゆくので、2度3度と見ると良いのかも。

イーサン・ホークのお父さん役でサム・シェパード(※)が久しぶりでカッコイイ役をやってます。この人は「ライト・スタッフ」で不屈のカッコイイ役をやっていたのに他ではたいがいカッコ悪いというか情けないような役が多いんですね。劇作家としてはピューリッツァー賞やオビー賞を貰ったりしてるのに。

戦時中の日系アメリカ人強制収容所を描いた映画にアラン・パーカーの「カム・シー・ザ・パラダイス」(邦題:愛と哀しみの旅路:出演デニス・クエイド、タムリン・トミタ)。田舎町での出来事「日本人の勲章」。戦後まもなく、ある田舎町に片腕の男(スペンサー・トレーシー)がやって来ます。その男は戦死した戦友(日系人)の勲章を両親の住むこの田舎町に届に来たのです。ところがこの町を探しても、日本人はどこにもいなかったのです。調べてみると・・・。サスペンス映画としても面白いし、役者揃い。

差別や偏見を裁判を通じて描いた傑作に「アラバマ物語」(1962年:監督ロバート・マリガン:主演グレゴリー・ペック)があります。モノクロの映画ですが是非ご覧下さい。
※サム・シェパード:1943年イリノイ州生まれ。劇作家として、1966年「シカゴ」「イカリュスの母」「レッドクロス」の3部作でオビー賞受賞。俳優として映画デビューは1978年「天国の日々」(テレンス・マリック監督、共演リチャード・ギア)。
1978年には「埋められた子供」でピューリッツアー賞受賞。戯曲界のアカデミー賞といわれるオビー賞はDVD版「ライト・スタッフ」のキャスト紹介でナント「10回以上受賞」と書いてある。ちゃんと数えず10回以上というのがスゴイ。

マーシャル・ロー
マーシャル・ロー
1998年:監督エドワード・ズウィック
*事件が次々起こり、最後に正義が勝つのが良い。
*デンゼル君の映画だ。*ブルース・ウィリスはなんでもできる、名優だ。
マーシャル・ローは邦題(戒厳令)、原題は THE SIEGE(包囲)。セガールの「沈黙の戦艦」は UNDER SIEGE でしたね。

セイヴィア

1998年:監督ピーター・アントニエビッチ 製作オリバー・ストーン
デニス・クエイドが扮するアメリカ軍将校がテロで家族を失い、過去をすてるため外人部隊に入る。そしてボスニア紛争に従軍して非人間的な戦いを見るうちに、徐々に自分の人間性を取り戻してゆく。
*オリバー・ストーンらしい真面目な戦争映画。*画面の色調も落ち着いていて映画にマッチしている。*暗い。

民族紛争というのは通常いう戦争より悲惨だ。と、思うのだがどうなのだろうか。この映画ではボスニア紛争の背景などは描かれておらず、日本にいる私達はNEWSなどでも、セルビア側とクロアチア側のそれぞれの言い分や情報がまったく食い違っていてどうなっているのか判らない状態ですが、互いに憎みあい、憎しみを持って殺す恐ろしい光景が描かれています。

暗い映画と言った人もいましたが、店長は暗いというより静かな映画という印象を受けました。音楽がまたポルトガルのファドににていたため暗い印象になったのかも知れません。

U.M.A./
レイク・プラシッド
8.11レンタル

1999年:監督スティーブ・マイナー
メイン州のレイク・プラシッドでダイビング中の男が胴体をまっぷたつに食いちぎられる事件が起こった。
*ビル・プルマンとブリジット・フォンダが主演しているのに上映時間82分と言うのはTV特番なのかしら。それにしてはおもしろすぎる。でも田舎町だけでの話しだし、そうなのかも。と思っていたら「デラックス版」として売り出されたDVDはなんと115分でした。聞くところでは日本の劇場公開時も82分版だったそうです。どうなってんでしょうか。(みたいなァ)

ブリジット・フォンダが可愛い。最初は都会ッ子のためいやみばかり言う娘。目の前で人が喰われた、その後の呆けた顔。それがだんだんとビル・プルマンに「楽しそうだな」などといわれてしまう可愛さ。ファッションも普通の娘らしくてとっても良い。
オリバー・プラットも相変わらずマニアックな人間(ワニ好きの百万長者)を演じていますが、「アンドリュー」でもマニアックな役でした。保安官役の人も、ココロ優しいおばあさんも、それぞれ良い味出してました。

このように、この映画は役者のキャラクターが良く描かれている上に、上映時間の短さで話が早く、ラストも変。巨大ワニも可愛いところが有ったりする。
とても面白い映画なのでレンタルおすすめです。
(追)10/6レンタルの「クロコダイル」もエッチで良いのですが、映画はこちら「レイク・プラシッド」がだいぶ上です。

クロッシング
1999年:監督マーク・L・レスター
ジャケットがマチガイではないが、バチガイなのでいまいち借りる気がしないが、見てみるとなかなか面白い。「セブン」ほど重くはないので気軽に見てね。☆ビデオはジャケットのとんちんかんが多いので、レンタル屋さんは大弱り。レンタル屋さんにあたるのは止めましょう。
最近では「フリー・マネー」チャーリー・シーン、ミラ・ソルビーノ、マーロン・ブランドのハードなアクション映画のハズが中身は軽快なコメディ映画だから役者などはどうでも良い足立区民は怒りました。けっこう面白かったのに・・・。

ワイド版
レイダース 失われたアーク
1981年:監督スティーブン・スピルバーグ
待ちに待った、ワイド・バージョンがリリースされました。「 レイダース」を見た事がある人はぜひ見てね。「レイダース」を見た事なかった不幸なひともいきなりワイド版を見る事で救われるでしょう。

ディープ・シー20000

1997年:監督ロッド・ハーディ
*おなじジュール・ヴェルヌ原作でも1954年ウオルト・ディズニー制作、リチャード・フライシャー監督、出演カーク・ダグラス、ジェイムス・メイスン「海底20000マイル」の方が格調も高く、ノーチラスの外側内側、その他のデザイン、設定、演出すべてに勝るので、この版を見たほうが良い。
さらに、やはり同じ原作の「悪魔の発明」1957年カレル・ゼーマン監督の版は他にない特殊な映画(人間が作った船や機関車、飛行船、銃、自転車といった無機質なものはアニメーション、人間、鳥、波など自然のものは実写。それを合成した手の込んだ作品)ですから、これは見る価値があります。
*両作とも夏休みにお子さんとご覧になることをすすめます。
*「ディープ・シー20000」は見てもいいけど見なくてもいいかも。

梟の城
1999年:監督 篠田正浩
映画はそれなりに良く出来ていると思いますが、まじめな篠田監督にはミスマッチと思ってしまう作品。売るほうがアクション映画。で、見るほうもアクション映画のつもりですから見終わった後で「がっかりした」というのもわかります。
篠田監督ならば原作から人間男女の愛憎を中心に話しが進み、100分位の作品にすれば、アクションはコレくらいでも十分良い映画が出きると思うのですが。歴史を面白く読ませる司馬遼太郎の原作ということでリキが入ったのでしょうが、司馬小説中期までの作品では理屈っぽくならず面白さを先にだしたほうがよいと思います。
だらだらとなかなか終わらないというのも若い人に不評の一因かも。歴史小説ではないのですから原作に思い入れは不要では。映画は割り切りが大事だよね。
名優沢昭一久々のご出演、そのお姿を見るためにビデオを借りた人も。
人を殺しに行く話では、クリント・イーストウッドの「許されざる者」が傑作。映画作品に必要な「起承転結」「魅せるリズム」のお手本にも。クリント監督は心得ていて彼のどの作品も、クライマックスではわかっていてもハラハラしちゃうんだよね。最近作「トゥルー・クライム」もオススメです。



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