国名

ドラえもん国
中進国

パーマン国
先進国

オバQ国
中進国

ハットリ国
発展途上国

キテレツ国
発展途上国

国民

1.「今日はすこしはりきった。でも最後まであきらめず国も残せてプライドを捨てないで自分的には満足している。」

2.「紙のムダ遣い。Tっちゃんが人にあげすぎ」

3.「T君がはりきりすぎ 紙むだだよ!!」

4.「T君が人にあげすぎ」

1.「おもしろかった。手がつかれたけど、白熱しててよかったと思う。またやりたい。

2.(最後まで自国の繁栄のために奔走したため、感想文書く時間なし)

3.「国連の援助に差があって、納得いかなかった。」

4.「このゲームは結構時間を忘れて遊べた。もう紙を切りすぎて手が痛いです。またやりたいです。」

1.「シールが3倍なんてずるい!!」

2.「一生懸命がんばりました。シール3倍はよくない」

3.「おもしろかったけど、もう少しシール以外にも裏ワザが欲しかった。ゲームだとみんなで出来て楽しい。」

4.「A君が紙1枚でシールを全部あげちゃったのが悪い」

1.「道具がなくて大変だった」

2.「道具がなくて何もできなかったけど交渉して手に入れればできた。大変だった」

3.「選んだ袋にエンピツしか入っていなかったから道具を借りるのがたいへんだった。おもしろくない。」

4.「道具を外の国と交渉して手に入れるのが大変だった。相互の駆け引きの難しさが少しわかった気がする」

1.「最初はつまんなかったけど、一発逆転があったから楽しかった。勝てば楽しい負けているときはくやしい」

2.「最初はつまらなかったけどシールで一発逆転した」

3.「少しの差で決まるのがおもしろかった。最初がダメでもとりかえせるものだなあと思った」

4.「今日は楽しかった。あまり心理学の授業ぽくなかった」

生産額

182000

166000

54000

48000

222000

資産額

4600

5000

2400

1000

0

合計

186600

171000

56400

49000

222000

順位

3(2)

2(3)

2(4)

4(5)

1(1)

<生徒配付資料>



貿易ゲーム 戦いの紀

 ときは21世紀初頭――世界は自国の富を築かんがため、激しい経済戦争のうずへ飛び込もうとしていた。そして遂に200X1010日水曜日2時間目、2年3組の地にて戦いの火ぶたは切って落されたッッッ!!

 戦いに参加したのは、ドラえもん国、パーマン国、オバQ国、ハットリ国、キテレツ国の5カ国であった。

 ゲーム開始当初、ハサミ、定規、コンパス、三角定規、紙の全てを持っているのはパーマン国のみであった。さっそくハサミを各国に見せびらかしにいくパーマン国。「良かったら、貸してあげようか?100万円でいいよ」などと足元を見て、優越感に浸るパーマン国をよこめに他の国は自分たちの乏しい材料や道具を前に途方にくれる。

 「道具がないのに、どうやって作るんですか」半ば怒りともとれる声が各国から起こる。開始数分間はほとんどの国で「なにしていいんだかわからない」状態が続く。

 そうこうするうちに国連の援助がまずドラえもん国にはいり、ハサミを提供された。するとドラえもん国民らはにわかに活気付いた。「作りたいのに作れない」という状態でたまったエネルギーを一気に生産へと向わせたのだった。世界銀行にもちこまれた製品第1号はドラえもん国産であった。

 オバQ国、ハットリ国にも国連の援助は入ったものの、コンパス、定規など、直接役に立たないものであった。やはりハサミがほしい。しかたがないので、他の国と交渉し、ハサミの借り入れをおこなうことをそれぞれに試みた。

 各国それぞれに生産がはじまり、着々と製品が世界銀行に持ちこまれた。しかし、長方形の生産過剰となり、価格が大暴落する。まだ長方形を世界銀行に持ちこんでいず、在庫を抱えていたり、今作っていたところの国からうろたえる声がきかれた。これを後に世界恐慌と呼ぶ。

 そうした中でも着々と生産を進めるパーマン国。各国民が、製図、切り取り、と分業流れ作業の生産ラインも確立し、世界NO.1の座は確実かと思われた。しかし、ここで思いも寄らぬハプニングがあった。なんと、生産した円が規格のサイズより小さい!がっくり肩をおとすパーマン国。技術立国パーマン国の初めて経験する挫折であった。

 一方、ゲーム開始当初、キテレツ国は紙はあるものの道具がなく、貧乏国ダントツNO.1だった。彼らは「国連ビルにつっこんでやるぞ」とテロ声明とも取れる発言をくりかえすなど、不穏な動きも見せていた。生産は全くない、生産をしようという気力もない、そうした状況のままゲーム中盤を迎えようとしていたとき、さる関係すじより「シールは金になる」との秘密情報のリークがあった。シールを製品に貼ると3倍の値段で取引されるということなのだ。しかもその情報をしっているのは自分たちだけである。それを聞いたキテレツ国民は色めき立った。しかし慎重にことを運ぶことはぬかりなかった。喜びを顔に表すことなく、「どうせオレらびりなんだから、何でもいいからくれよ。あ、そのシールは何?いらないんだったらこの紙1枚とこうかんしてくれよう。」と泣き落す、外務大臣らのたくみな外交手腕が振るわれた。ほいほいとシールを渡してしまうお人よしのドラえもん国とオバQ国。しかし、シールは守備良く手に入れることができたものの、ハサミがないので、肝心の製品がつくれない。このままではゲームが終了し、宝の持ち腐れになってしまう。あせるキテレツ国民。やっとのことでなんとかドラえもん国に時間制限つきでハサミを借ることができた。すでにシールとハサミをゲットするさいに、全財産を相手国に渡して無一文となっている。終了時間までに世界銀行に納品しなければ、すべて水の泡である。急ピッチで生産が進められた。終了時刻10分まえになって、製品が完成した。シールも貼り終えた。世界銀行に持って行き、精算額の計算をしてもらう。「22万円です」との答えに、思わずガッツポーズをとるキテレツ国。「なんでそんなに高いの!?」とどういうことなのかまったくわからない他国。ここでキテレツ国は「シールを張ると製品の値段が3倍になるんだよ」と明かす。「だまされた!」と激怒するドラえもんとオバQ。両国内ではシールを渡してしまった責任をお互いになすりつけ、内紛がおこり、やりだまに上げられた国民はふてくされるというありさま。シールの利権をめぐって国同士の小競り合いが各地で勃発し、キテレツ国とパーマン国の間では、殴る、蹴るの武力闘争にまで発展した。

 ゲーム後半、やる気を無くしたオバQ国の国民らからは「道具がないのにどうやってやるんだ」「つまんない」「やるきない」「心理学入門ますます来たくない」などの不満の声が聞かれ、国内は沈滞ムードが漂い、ゲーム開始当初は少ないながらも、着実であった生産はほとんどストップしてしまった。またハットリ国でも同様に道具がないため、仕事のない国民らのうんざりした気持ちが最高潮に達していた。「こんなゲームやったって、無駄、無駄、無駄ーッッッ!!」とこんどはハットリ国がテロを起こしそうな勢いであった。

 やがてゲームも大詰めをむかえ、一旦意気消沈していた国でも、皆少しでも自国の富を増やそうと躍起になった。他国の机の下におちていた金をネコババする者、それを見て金が落ちていないか床をはいまわる者、世界銀行に潜入し製品をくすねようとする者、金にものを言わせて世界銀行の見本品を買い取ろうとする者など、略奪、詐欺、足の引っ張り合いが横行し、世界の秩序は地に落ちたかにさえ見えた。しかしそんな中でも無償で道具の貸し借りをしている国も見られた。

 終了3分前、とにかく勝ちにこだわったパーマン国はドラえもん国、オバQ国に同盟を申し入れた。ドラえもんはいったん受け入れたものの、一転して拒否、オバQは同盟を承諾した。しかし、同盟とは名ばかりで経済戦争に破れた末の、事実上のパーマン国による植民地支配であった。

 ゲームは終わった……

 結果はキテレツ国の圧倒的勝利に終わった。ついでパーマン国とオバQ国の同盟、3位がドラえも国、4位がハットリ国であった。

 おもむろに戦後処理(後片付け)を行い、授業終了のチャイムがなる。帰りぎわある人が「先生、勝っても何も賞品はないんですか」という質問をしてきた。「うん、ないよ」と答える熊谷。

 しかしこの質問は考えさせられる質問である。そもそも何のためにわれわれは富をもとめるのだろうか。富とは何のためにあるのだろうか。欲しいものが手にはいった時、われわれの心はなにを得たといえるのだろうか。君はどう考えるッッ!?



                          

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<集計表と生徒の感想>
※( )内は純粋な順位。( )外は同盟後の順位。