話し合いを考える @映画「12人の怒れる男」を見る (実施:2001、2002年度)
 映画「12人の怒れる男」を題材に、話し合いについて考えます。映画を見ながら、各評決のシーンの前にビデオを止め、だれが意見を変えるかを予想します。
<授業のサイズ>2コマ×2日
 準備するもの
「12人の怒れる男」のビデオまたはDVD  本編93分。
現在手に入るビデオ版は字幕です。
最近ではDVDの方は字幕と吹き替えですが、吹き替え版は所々音声がオリジナル(英語)になります。
これはたぶん、TV放送時、カットされた部分に日本語をアテてないからでしょう。
私が授業を行ったときはまだDVD版が発売されていなかったので、字幕のみのビデオ版を使いましたが、吹き替えの方がよいかもしれません。
 字幕だと、生徒が字幕に慣れていないため(最近の高校生は映画を見る習慣があまりないようです)、字幕のスピードに読みと思考のスピードが追いつかず、途中で飽きてしまうようです。
座席表  映画では1番陪審員から12番陪審員までぐるりと一つのテーブルに座っています。この映画では、登場人物の名前がでてきません。(最後にちょっとでますが。)また映画が白黒ということと、外国人は見分けがつきにくい(失礼)ため、ストーリーを着実に追うための助けとして、座席表を作りました。座席表には人物の特徴をつけています。
ワークシート(4人)  評決のシーンの前で、誰が意見を変えるかを予想し、記入します。
感想用紙  全部見終わったら、感想を書きます。また12人の中で、自分は誰に近い行動をとりそうか、ということも書いてもらいます。
    
 タイムテーブル 1日め
00 今週から数週にわたって「話し合い」について考えることを説明。
資料配布。
映画についての簡単な説明。見方のポイントを話す。
ワークシートの使い方の説明。
10 ビデオスタート
30 評決の前のシーンになったら、ビデオをとめ、誰が意見をかえるか予想させ、ワークシートに記入させる。
数人指名し、誰が変えそうか、発表させる。
50 ビデオストップ、休憩
55 ビデオスタート
60
70
80
95 ビデオストップ。来週続きを見ることを伝える。ワークシートの回収。
100 授業終了。
 タイムテーブル 2日め
00 先週のふりかえり。ワークシートの配布。
10 ビデオスタート
30 先週同様、評決の前のシーンになったら、ビデオをとめ、誰が意見をかえるか予想させ、ワークシートに記入させる。
数人指名し、誰が変えそうか、発表させる。
50 映画終了。ビデオストップ、休憩
55 感想用紙配布。感想を書かせる。
60
70 「自分だったら、どの陪審員のように行動しそうか」を1〜12番までで選ばせ、手を上げさせる。
80 感想を話しあう
95 映画と「話し合い」について講師からコメント。
100 授業終了。
 
授業をやってみて
 映画が白黒で昔の映画と言うこともあってか、ほとんどの生徒が寝ていました。映画の内容が、かなり能動的に頭をつかわないとストーリーが追えないので、高校生にはちょっと難しいのかなー、と思いました。映画が好きな生徒は熱心に見ており、見終わったあと「すごいおもしろかった!」と目を輝かせている生徒が数人いました。しかし、書かれた感想をよんでみると、ちゃんと内容を踏まえてかいてあるので、「寝ているように見えて、ちゃんとみていたのねー」とちょっと感心しました。
 
<おまけ 授業雑想>
   この授業は大学院時代の友人からヒントをえました。その方はすでに社会人で、会社の社内研修で 「12人の怒れる男」の映画をみながら、こういうことをやったということを聞き、自分もやってみたいと思いました。
この映画の少数派がじりじりと多数派に変わっていくダイナミクスは非常に面白いと思います。また、クリティカルに考えるとはどういうことか、がよく表現されています。
映画「12人の怒れる男」は主に法学部の授業でよく使われるようです。
 
<生徒配布資料>
・映画の説明
・座席表
・ワークシート
・生徒感想
・自分ならどの陪審員になりそうか