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ビールの友004
突然アクションの人
1996.08.27

 Jリーグ仕様のビールなんてのがある。単にパッケージにマスコットがついているというだけなんだけど。

 駅のホームで突然アクションを始め人がいる。昔は結構ポピュラーだった気がするが、最近は数が減った。

 ゴルフのスイングと野球の投球が突然アクションの2大巨頭だろう。Jリーグ仕様のビールが現れるほどJリーグが流行っていても、サッカーアクションの人というのは見たことがない。サッカーをやる人の人口が増えたわけではなく、サポーター人口が増えただけだからかもしれない。

 突然アクションの人の思考回路というのは、やはり「あのときこうしていれば」とか、「球の伸びがイマイチなのは肘のバネが足りないせいかもしれない。もっとこう…ハッ」。「もっとこう」の「こう」のあたりで自分がアクションしているのに気づくわけだ。まぁだいたいこんなもんだろうと思う。つーことは、やっぱりサッカーを実際にやってないと、ああいうアクションは出てこないだろう。

 今小学校でサッカーやってる連中が大人になる頃、ホームにはサッカーアクションの人があふれている、なんてことになるのかもしれない。

 うむむむむ、ちょっと想像してみたけど気持ち悪い。

 それより気持ち悪い可能性にハタと気がついた。サポーターが、あのときこう応援していれば…ハッなんて可能性である。もしかして、実際にこういう人はいるんだけど、端から見るとなんのアクションなのかわからないために、突然アクションの人ではなく、ただの変人と認知されているだけなのかもしれない。ううううう、それはそれで恐い。

 突然アクションが突然アクションとして認知されるためには、動作が端から見てわかりやすくないといけないと思う。この点ゴルフと野球は合格である。

 ゴールキーパーが突然アクションをするところを想像してみてほしい。今まで脇に立っていた人が、突然こっちに向かって横っ飛びにジャンプしてくるのである。ひぇー、やっぱりサッカーはこのあたりでも失格なんじゃないかと思う。

 突然アクションの少数派というのはきっといるに違いないと思うけど、全然見かけない。「その動作がなんの動作であるのか」という点、やはり大きなポイントじゃないかと思う。

 スポーツ以外にも突然アクションは存在している。たとえば音楽を聴きながら調子をとる人。これも立派に突然アクションの仲間といえるだろう。

 音楽をやっている人というのはちょっとお得かもしれない。ギターアクションもキーボードアクションも、わりと認知されているような気がするから。通常の突然アクションの人と同じように、音楽突然アクションの人も、困った奴だけど、取りあえず危険じゃないな、程度の許容度を持って回りも接してくれている風だ。

 クラシックピアノの人が、楽譜を膝の上に広げて指の練習をしていると、煙たがられるどころか、逆にホーという感心の目で見られていたりする。ま、これは明らかに練習であって、突然アクションとはジャンルが違うけど。

 何が不遇かといって、パチンコの突然アクションの人ほど回りから誤解を受けるものはないんじゃないかと思う。

 昔はともかく、今のパチンコは電動である。どういう動作になるかというと、右手を挙げて手のひら全体でダイヤルをつかみ、それを回す。手首を左右にひねって球の強さを調節する、ということになる。前にパチンコ台があれば全然違和感はない。しかし、しかしである。虚空に向かってなにかをこねくり回しているような動作というのは、これはかなり不気味な気がする。

 虚空ならまだいいんだよ、まだ。満員電車の中でパチンコの人が突然アクションに襲われ、しかも目の前にいるのが女の人だったりなんかすると…。

 それはそれは悲惨な結末がこの人を待っていることになる。パチンコはブームだそうで、パチンコ人口はかなり増えているようだ。もしかして、痴漢の何割かは突然パチンコの人だったりするのではないかと疑ってしまう。

 この手の誤解を受けやすい突然アクションはまだある。たとえばリンボーダンサー。これはどこであろうとかなりやばそうな気がする。

 パチンコの人とリンボーダンサーの人は突然アクションに気をつけよう。


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