ビールの友011
突然アクションパート2
1996.09.23
先日、突然アクションについてメールをもらった。許可をもらったので引用する。
**************** 引用開始 mayumiさんのメール *************
突然アクションの人で、不思議な人を見かけたことがあります。
それはおそらくラジオ体操の突然アクションでした。
私はホームで電車を待っていました。通勤ラッシュでたくさんの人が列をつくって電車を待っていました。
突然、私の前に並んでいたおじさんが、アキレス健を延ばし始めました。かけっこの「ようい、スタート」の「ようい」のポーズです。十分に延ばした後、おじさんはくるっとこちらに向き直りました。逆の足を延ばそうと思ったのでしょう。しかし、私と目が合い、少しだけ「あっ」という顔をしました。そして、そのままくるっともう半回転して前を向きました。
ホームでくるりと1回転したそのおじさんはその後何事もなかったように平静を装いました。
以上私の目撃した突然アクションです。
**************** 引用終わり *****************
突然アクションの中にも、「エクササイズ」というジャンルがありますね。突然肩をぐるんぐるん回したり、首をぐりぐり回したり。目的は明らかで、筋肉をほぐそうというもの。これは明らかに前回言及した突然アクションとは性格が異なります。
普通の突然アクションはこれほど目的意識を持ってなされないものです。もう一つ大きく異なっている点は、「人に見られてもかまわない」と思っているところにあるでしょう。メールのケースは突然アクションとエクササイズが混じったもののようですが。
肩を回したり首を回したりぐらいは突然アクションとはいえないのではないかとお考えの方もいるでしょうが、さにあらず。私はかつてとんでもない突然エクササイズの人を目撃したことがあります。
地下鉄銀座線の出来事。車内はそれほど混んでおらず、空席も目立つ昼下がりであります。途中から乗り込んできたサラリーマンのおじさん(40代後半)、持っていた新聞を網棚に放りあげたかと思うと、やにわに吊革につかまって懸垂を始めたのであった。
おじさんは小柄だったけど、いくらなんでもそのままでは懸垂なんかできない。吊革にしっかりつかまって、足はひざから曲げて床に着かないようにしている。まるで体操の「吊り輪」状態。正直言って、端から見ると相当情けない姿だ。声こそ出さないものの、黙々と懸垂をするおじさんを見ながら「こいつアホちゃうか」と思ったものでありました。

つい先日、これよりも奇妙な人を見たのでありました。
仕事帰りの電車の中、ドアの脇に立っていたら、すぐ近くからキューキューという音がする。なんだろうと振り向くと、ドアの真ん前に立っている男のあたりからその音がするのでした。30代前半と思われるかなり酔っぱらったその男、ドアとドアの閉じて合わさったところ、ゴムとゴムの間に自分の持っている切符を挟もうとしていたのでした。切符がドアのゴムにこすれる音がキューキューと鳴っていたのであった。
この男、一体何でドアとドアの間に切符を挟もうとしているのか。うまく挟まったとみえて、ドアとドアの間から切符がにょっきり生えている。男の人も満足そう。この先どうなるんだろう? 次の駅で明くのはこちらのドアだ。ドアが開いた瞬間に落下した切符を電光石火つかみ取るんだろうか?
ワクワクして見ていたら、駅に電車が入り始めたら、電車が止まるはるか前、ドアが開く前に切符をドアからとって、何事もなかったかのように降りていったのでありました。なんなんだこいつは。
これははたして突然アクションなのか? 突然アクションの研究者にさっそくこの話をすると、「そりゃただの暇つぶしでしょう」
切符挟み男といい、突然アクション研究者といい、こちらの期待を裏切ってくれる人たちなのであった。