ビールの友026
失礼な奴
1997.10.15
顔の大きさ、というのが思い出したように話題に上がる。職場の人たちと飲んでいたときに、偶然頭の大きさの話になった。中で一人、意外な人物の頭が大きいことが判明した。細面の顔なので、この人の頭が大きいと言われてもすぐにはピンと来ない。
「原チャリ乗ってるじゃないすか。僕のかぶれるメットがないんですよ。専門店まで行って、スッゲー高かったやつを買ったんですけど、これでもまだきついんですよね。おまけに高いくせに安全基準認定のマークがないし。なーんか、かぶりものは昔から合うもんがなくて苦労してるんですよ。」明るい口調で話す彼ではあったが、相当トラウマになっているらしい。この話題は触れてはいけない話題だったようなのだ。
彼の受難は続く。10月10日から12日までは三連休だった。彼は連休初日、原チャリに乗っているときに後ろからワゴン車に追突された。軽いムチうちになったのだが、当のワゴンはそのまま逃走した。さらに、連休最終日、追突された原チャリからシートが盗まれていた。
「朝、チャリに乗ろうとしたらないんですよ、シートが。う、いてて」怒りさめやらぬ様子で痛む首をかばいながらその時の状況を話してくれた。警察では「ま、一応受理はしますけどね。シートが出てきても自分のものだと確認できないでしょ。あきらめた方がいいですよ」と言われ「時間の無駄ですよ、警察なんか!」
盗難保険に入っていたので、保険会社にも電話をかける。しかし、丸ごと盗まれたんじゃなくて、シートだけの場合は保険が降りないことが判明。
「あったまきますよ。今度からハンドルロックしないことにします。そうすれば丸ごと盗んでいってくれるから保険で取り返せるし。」
だがしかし、彼が一番頭にきていることは別にあるのだ。
「一番アタマくんのは、シートが盗まれてるのに中のメットが残ってることなんですよ。あれ、絶対かぶってみてブカブカだったから持ってかなかったんですよ。絶対っすよ。ムチャムチャ失礼な奴ですよ!」