火星の季節がやってきた!
2年2ヶ月ぶりに火星の接近です。地球と火星の公転周期から2年2ヶ月ごとに軌道が接近します。 その時が観測のチャンスです。この接近はあらゆる意味で期待されています。NASAが火星探査機 を送り込むのもこの時期です。
で、今回の接近ですが、再接近の2001年6月22日には視直径が20.8秒角になります。次回の2003年8月27日 には大接近となり視直径が25.1秒角となります。といっても木星が最大で47秒角ほどになりますので、 半分程度しかありません。
火星の見所ですが、大シュルティスと呼ばれるシュルティス・マイヨルでしょう。大きく見やすい模様です。 しかし、火星の自転速度は地球とほぼ同等のため、同時刻の観測でも9度程しか変化しません。目的の地形 が来ている時はうれしいのですが。全周を見るのには約40日かかります。木星のときは自転速度が速かったの で5分以内の撮影データを合成することを推奨しましたが、火星であればもう少し余裕がありそうです。
で、問題の模様がいつ見えるかですが、火星の模様をシミュレートするソフトウェアがAstroArtsのHP で公開されています。
火星儀ソフト「火星くるくる」
http://www.astroarts.co.jp/products/mars/index-j.html
携帯電話版「火星くるくる」
星ナビi i-mode
星ナビJ J-SKY
今年に入ってからの撮影データです。(クリックすると大きな画像が表示されます) 17日間で視直径が1.4"も変化しています。再接近時には、約2倍になっているはずです。
2001/03/03
視直径 7.8"2001/03/20
視直径 9.2"
画像調整ですが、ステライメージ3の自動レベル調整で
を行ったあと、自動レベル調整を行うと良いようです。
- 最小値0%
- 最大値100%
- RGB各プレーンで調整
StellaNavigator Ver.5/AstroArts Inc./ASCII Corp.
2001/03/20
視直径 9.2"2001/03/20
StellaNavigator Ver.5
で、3/20の画像に再処理をかけてみました。右はステラナビゲータ5で同時刻の火星を表示した画像です。 模様もなんとなく一致はしているようですが・・・(^^;)。
ステラナビゲータ5の画像等を引用するにあたっては使用許諾条件があります。ご注意ください。 詳しくはAstroArtsのHPをご覧ください。
再接近時には新たな画像が追加できるようにしたいと思います。
2001/06/26 追記
再接近から2日後、梅雨のこの時期に奇跡的に晴れ間がのぞきました。さっそく撮影開始です。 この日のシミュレーション画像はこんなかんじです。
2001/06/24 23:40
視直径 20.8" -2.4等
StellaNavigator Ver.5/AstroArts Inc./ASCII Corp.
ちょうど、大シュルティスが正面に来るという最高の条件でした。で、撮影画像はこちら。
F2.8 1/10sec ISO100
x3 Optical Zoom
x2.5 Digital Zoom
オリジナル画像
眼視のイメージに近いと思います。1枚のみの無処理画像でも、なんとなく模様がわかります。140枚程、撮影した中から良かった画像5枚を処理してみました。 ヒストグラム調整して加算合成後、RGBに分解します。RGB各画像を中央値平均ぼかしを施しノイズを平坦化した後、B画像を L画像としてLRGB合成しています。
クリックすると大きな画像が表示されます。
口径が小さいことと、拡大率が低いため、はっきりとした模様ではないですが、大シュルティスが確認できます。 7月中もまだまだ楽しめる大きさなので、今後も挑戦していきます。