PalmTopホテルなどはカプラで通信


カプラ接続例

モデム接続用音響カプラを受話器に接続した例です。受話器の口に当てる部分の幅や角度が調整できるようになっており、マジックテープのバンドで固定して使用します。また写真には写っていませんが、反対側にモジュラージャックの口があります。ここにモデムを接続します


これは別に200LXに限った話ではありませんが、音響カプラでの接続の話です。

その昔、パソコン通信黎明期をご存知の方なら「カプラ」という単語を懐かしく思うことでしょう。カプラに受話器をはめこみ、アクセスポイントまでダイアルを自分で回し、300bps程度の低速通信。ここで取り上げているカプラも基本原理は大差ありません。最も違うのは、パソコンとの接続形態で、これは後述します。

しかし今更こんなことしてどうするの? と疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。カプラが活躍するのは、今では主にホテルの電話に接続する場合です。最近はモジュラージャックを完備したホテルも珍しくはないですが、そうでなかった場合、つまり、電話機がローゼットで直結されてる場合を考えてみて下さい。もちろん無理矢理配線するという方法もあるとは思いますが、合法的に通信をするなら受話器経由でデータをやりとりするしかないでしょう。しかも、この方法はモジュラー以外の端子しかないような海外などでも適用できます。

音響カプラの選び方
私の持っているものは、一太郎で知られるジャストシステム社製のものです。これは一応9600bpsまで対応しているようですが、最近では28800bpsサポートと称したものもあります。
ところで、昔の音響カプラといえばパソコンのシリアル端子を直結するのが一般的でしたが、今時のカプラはモデムのモジュラー端子(LINE)と接続します。そのため、実際の通信性能はモデムの性能にも左右されることに注意して下さい。
モデムの選び方
次に、モデムを選びます。カプラ側ではデジタル信号の変調・復調は行っておらず、モデムを接続してそこでやってもらう必要があるからです。とはいえ、カプラ側で電話回線をエミュレートしてくれる訳ですから、普通に電話回線で通信できるモデムなら何でも構わないはずです。
モデム初期化コマンドの注意点
ソフト的な部分は、普通の通信で注意すべきことの他に、このような点にも注意すればいいでしょう。
通信状態が悪いときは9600bps以下で接続する
もちろんカプラの性能にもよる部分がありますが、周囲が騒がしい場合や、受話器そのものが古い場合、回線品質が良くない場合では28800bpsなどで接続を試みると失敗することも多いです。接続する際は、ATコマンドで接続速度を明示してやればいいでしょう。PHSのみなし音声通話のページの表を再掲します。
モデム種類 1200bps固定 2400bps固定 9600bps固定
Hayes標準 ATS37=5 ATS37=6 ATS37=9
aiwa ATB2%X2 ATB2%X3 ATB2%X6
OMRON ATB5 ATB6 ATB8
マイクロコム ATF4 ATF5 ATF8
US Robotics AT&N2 AT&N3 AT&N6
(BPS 携帯電話接続コード(XMC-1) 取り扱い説明書より表引用)
キャリア断検出時間をルーズにする
回線状態が不安定だとブツブツ音声が途絶えたりすることもあります。モデムは、相手側モデムのキャリアが一定時間跡絶えると、回線を自動的に切ってしまいますから、これではまずいのです。 そこで、モデムのキャリア断検出時間のレジスタを多めに設定しておきます。 S10レジスタがそれに当たるでしょうか。このレジスタの値を50〜100ぐらいに設定(ATS10=50のように)してやればいいと思います。
ダイアルトーン検出を行わない
これはその電話機のダイアルの仕方にもよるのですが、ホテルの電話は 0 発信で初めて外線に接続されることも多く、一般の電話でいうところのダイアルトーン (ツー音)が存在しません。これはATコマンド "ATX3" でダイアルトーン検出は行わなくなります。
また、DTMF(ピポパ音)をモデムから送出してやると、そのまま電話がかかる場合もありますが、認識されない場合はダイアルを ATDP1 (ATDT1) など、あえて受けつけられないようなダミーにしておき、タイミングを合わせて自分でダイアルするようにした方がいいこともあります。
エラー訂正を再度見直す
キャリア断の項と同じ理由ですが、エラー訂正がきちんと働くような設定をしていることを確認して下さい。
それでは、トライしてみましょう
設定が終わったら、実験してみましょう。 200LX(パソコン)、モデム、カプラと受話器を繋ぎ、通信ソフトでダイアルをします(ダイアルが認識されない場合は、同時に手動でダイアルします)。
私はこれでホテルからNIFTYへの接続に成功しました。ハード的な問題さえなければ、そんなに苦労することはないと思います。一応注意点をならべておきましょう。
通信中は電話機を操作しない
ボタン操作などにより雑音が入り、通信が跡絶えることがあります。
 
通信が終わったら受話器を戻す
受話器がカプラの上に乗ったままだと、電話が切れません。相手が切ってくれても、他から電話がかからなかったりするので、注意しましょう。
周囲では極力物音を立てない
これは当然ノイズ発生を防ぐためです。金属音などかん高い音は、干渉することがあるようです。

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