PC-8801mkIISRのスペック


今からすれば何もかも桁が違う、往年の8ビット機のスペック。 昔を懐かしむもよし、新たな発見をするもよし。

※このページは、1996年頃に当時使っていたWindows PCとのスペック比較をしたものです。この部分と今のスペックを比較しても、相当進化を遂げています。

PC-8801mkIISRのスペック

製品 model 30 model 20 model 10 (参考)私の使ったWin95機
定価
\258,000
\213,000 \168,000 パーツ単位で買っているので不定
出荷年月 1985/01 ---
CPU メイン μPD780C-1 4MHz (Z80A相当) MMX Pentium 200MHz
サブ μPD780C-1 4MHz (Z80A相当) ---
RAM メイン 64KB 128MB(131,072KB)
グラフィック 48KB 4MB(4096KB)
テキスト 4KB (グラフィックと共用)
サブCPU 16KB ---
ROM N88-BASIC 64KB システムBIOS:64KB
ビデオBIOS:32KB
N-BASIC 及びモニタ 32KB
サブCPU 8KB
表示 テキスト 80文字×25行 80文字×20行 40文字×25行 40文字×20行
のいずれか、8色 × 1ページ
80文字×25行 / 40文字×25行
16色×8ページ(最大)
グラフィック 640×200ドットカラー 512色中8色 × 1ページ 最大1600×1200ドットカラー
最大16,777,216色
640×400ドットモノクロ × 1ページ
640×200ドットモノクロ × 3ページ
漢字表示 JIS第一水準漢字ROM標準装備 漢字ROM搭載なし
(グラフィックで表示)
JIS第二水準漢字ROMオプション
外部記憶装置 FDD 5インチ2D 2基 5インチ2D 1基 オプション 3.5インチ2HD 2基
HDD 2.1GB+4.3GB+8.4GB
CD-ROM/CD-R
カセット
インターフェース
標準装備(1200/600baud) 今時付ける人はいない
通信機能 RS-232C 75/150/300/600/1200/2400/4800/9600/19200bps 50〜115200bps
他に10BASE-T(10Mbps)
サウンド機能 FM音源 3重和音, SSG音源 3重和音, BEEP BEEP, Sound Blaster 16
同Live!の性能に準ずる

スペック表を見て思うこと

PC-8800シリーズにおける「サブCPU」の役割は、5インチFDDの駆動用である。I/Oポート経由で「ハンドシェイク」という手法でメインCPUとコマンドやデータのやりとりが行えた。しかしながら、データ転送のオーバーヘッドが大きく「88はパソコン内部で『パソコン通信』をしている」などと言われたものだ。

model10〜30の違いは、搭載FDDの台数でしかない。後の基本性能は同じで、model 10/20にもドライブを増設してやれば上のモデルになった。しかし、定価ベースで考えると、FDドライブ1台で45,000円もしていたことが分かる。今はパーツショップに行っても1桁減らしてもなお「お釣」がくるのだから大量生産と技術革新は凄いものだ。ちなみに、メディア1枚当たりの記録密度は4.6倍ほどになっている。今はそれでも容量が足りない「過去の遺物」だ。かつてスナッチャーで「こんな古いメディア」などと呼ばれた5インチフロッピーだが、今はもうその時代を迎えている。最近始めた人は5インチフロッピーを見たことないという人もいるだろう。

ちなみにこの時代、HDDという代物は世の中に存在していたはずだが、パソコンに搭載されていたものは10MB、20MBといったところが精いっぱいであった。今は8〜9GBクラスもあることを考えると、500〜1000倍の容量を扱うことになっている。それでも当時は「こんな10MBなんて使うのいつの話になるやら。こんな高いの買うなら、フロッピー沢山買った方がいいじゃん」とか思っていた。当時、フロッピーは1枚500円ほどが相場であり、私の小遣いではやや苦しい金額であった。今はフロッピーもまとめ買いすれば1枚単価は100円を切る。200円前後あればCD-Rが買えてしまう。

NECの8ビットパソコンで"SR"と言えば、FM音源を搭載したモデルである。他の8ビット機のシリーズはSRで大幅な改良をされたものの、それで終わりを告げているのに対し、88は割と地味な改良(320×200ドット×2画面は欲しかった機能だ)をされ、シリーズ最後の88MCに至るまでのリファレンスマシンとして生き続けた。2HDのフロッピーが付いても、8MHzにCPUクロックが上がっても、基本はSRだった。唯一その枠を飛び越したのは88VAシリーズぐらいであろう。

88が日本語を普通にプログラム中に埋め込むことが出来るようになったのは、後に88FR/MRが登場し、「N88-日本語BASIC」が出回るようになってからだ。今でこそ漢字かな交じり文が思うままに使えるようになってはいるが、当時それが出来たのはPC-9801E/F/M、他のメーカーのパソコンを見るとX1turbo, MZ-2500(SuperMZ)程度ではなかっただろうか。日本語の表示は、割とハードウェアに負担をかける物であったのだ。


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